白昼夢20080525

 僕の二倍くらいの体の大きさをした鳥がいました。


 その鳥の身体は針金と毛布でできているようでした。
 その鳥はブリキじかけのおもちゃのように羽を2秒に一回はばたかせていました。
 その鳥は石油まみれで憔悴した海鳥のような声で定期的に鳴き声を上げていました。
 その鳥は100メートルトラックほどの公園を羽ばたきながら回り続けていました。
 その鳥は2秒に一度しか羽ばたきませんから、まるで糸でつるされたおもちゃのように空中を進んでいました。
 その鳥は上空1メートルを正しく進みながら、僕が瞬きをするタイミングに合わせて卵をぽろぽろと産み落としていきました。


 上空1メートルから産み落とされた卵は当然のように割れてしまうものがほとんどでした。
 ひび割れの隙間からのぞくのは、液体と固体の間をさまよっているような形状をした灰色の雛鳥でした。


 僕はしばらく公園を見て回り、生きている雛鳥がないかどうかを念入りに調べて回るのでした。